独特の光沢を持つ ノーブルなたたずまい
日本ではかつて「ナンヨウカツラ」などと呼ばれ将棋盤や建具などに使われていたアガチス。
節がなく、針葉樹らしからぬその落ち着いた風合いや、表面を磨くとにじみ出てくる独特の光沢が高く評価され今では壁板や天井、フローリングや窓枠などの造作材、建具に至るまで広く使われています。
特に洋室との相性は抜群で、ノーブルで気品のある風合いは多くのアガチスファンを魅了しています。
アガチスとは?
アガチスは、東南アジアを中心にニュージーランド、フィジーなどを含むオセアニア一体に広く分布する針葉樹。
国によって呼び名や木材の特徴が少し違い、特にオセアニア地方では「カウリ」と呼ばれ、直径が数メートルもある木は「神木」として信仰の対象になったりもしています。
日本では、「ナンヨウカツラ」、「ナンヨウスギ」、「ナンヨウヒノキ」などと呼ばれ、高度経済成長期などに大量に流入しました。安価で、使い勝手もよく、当時の住宅にはかなり使われていました。しかし、現在では環境保護の観点から伐採量がコントロールされており、徐々に希少価値が高まってきています。
滝口木材では、インドネシア、マレーシア両国の木材会社から、フレッシュなアガチス材を輸入しています。山から木を切るところから関わっており、製材されるまでの全ての工程を、現地の日本人スタッフがチェックしています。また、アガチスは厳格な伐採計画に従って伐採されており、滝口木材としましても、関係法令を遵守した上で日本へと輸入しています。
材の特徴
木材としての最大の特徴は、年輪がはっきりしていないこと。針葉樹は通常年輪がはっきりしていますが、アガチスは逆に年輪がわかりづらく広葉樹のような特徴が見られます。
年輪というのは、夏に育つ部分と春に栄養を蓄える部分とで成長差が生まれることで発生します。四季がはっきりしている場所で育つとくっきりと表れますが、東南アジアは常夏なので、それが表れにくいのです。
ただ、一方で、アガチスは急峻な斜面に分布しているものも多く、1本の木の内部に斜面の山側と谷側で成長差が生まれ、「アテ」と呼ばれる硬い部位を形成してしまうことがあります。
アテの部分は、乾燥させると曲がったりヒビが入ったりすることがありますが、天然木は生き物と同じですので、アテをゼロにすることは難しく、集成材として再利用するなど、アテとの共存を模索しています。
アガチス使用実例(協力・奥山木工(有))
アガチス製材風景
1本の丸太が製材され、「板」となる様子をスライドショーでご覧下さい。
アガチス加工風景(協力・奥山木工(有))
アガチスの板がさまざまに加工される様子をスライドショーにしています。