上品な白が 清潔感のある空間を演出
中国の内陸部、チベット自治区や四川省を産地とする雲杉は、細かな木目と柔らかみのある色が特徴的なマツ科の木。
適度な柔らかさがあるため、造作材・建具材として使われるほか、フローリングや羽目板などにも使われるなど、守備範囲の広い木材として知られています。
その美しい木目は、気持ちを和らげ、清潔感のある雰囲気を作り出してくれるでしょう。
雲杉とは?
雲杉は、中国のチベット自治区・四川省などを原産地とするマツ科の木。冬はマイナス数十度という厳しいチベットの自然を生き抜いているため、木目は細かく、適度な堅さと加工性の良さを兼ね備えています。
チベットや四川省内陸部では古くよりこの木を住宅建築用として使ってきました。日本へも数十年も前から輸出用の木材として取扱うなど、雲杉は、林業を主幹産業とするチベット自治区の生活・経済を支えてきました。
名前に「杉」が付く為、よく杉やヒノキと間違われる事もありますが、実際はツガとスプルスの間に位置する木で、多くの住宅の造作材・建具材として使われています。
中国の協力工場の加工能力もここ数年格段に改善されてきており、滝口木材としましても、定期的に社員を現地へ派遣し、検品・技術指導などを含め、品質の維持に全力を注いでいます。
材の特徴
マツ科の木ではありますが、日本の松ほどは硬くなく、加工性がいいのが特徴です。
建具、造作材関係の木材として、日本の木材業界でも広く取扱われてきました。
ヤニもほとんどなく、美しい木目と独特の白さを持つ木肌が清潔感を演出し、内装材としてもかなりの支持を得ています。
無垢の材で、幅が取れる木が少なくなる中、幅が取れる雲杉は、アガチスと同様人気が高まり、現在は中国国内用材・欧米への輸出用材との「取り合い」の様相が続いています。幅や厚みのある雲杉の材は、年々希少価値が高まってきているのが現状です。
滝口木材としましても可能な限り安定供給に尽力して参りますが、チベット自治区の天候、政治状況などにより、入荷の遅れが発生してしまうことがあります。
しかし、そうしたリスクを負ってもなお、雲杉の魅力には抗いがたく、中国国内の関係各所との一層の連携を深めながら、安定供給に努めております。
雲杉平割を羽目板・天井板に加工し納品した物件です。目細な柾目の表情が本実突き付け加工とマッチし、すっきりとした印象を与えています。アガチス同様茶系の経年変化をしていきますが、古ぼけた安っぽい感じは全くしません。
中国の協力工場内の様子。生産力はかなりのもの